文化財のデジタル化について

文化財のデジタル化とは

近年、重要な文化財が経年劣化や自然災害により大きな被害を受けてしまう事例が多く報道されています。
日本には数多くの文化財がありますが、それらの中には一度劣化をしてしまうと内容を復元することが困難になってしまうという事例もあります。

そこで現在全国的に進められている事業が、文化財のデジタル化です。
文化財のデジタル化については既に多くの場所で行われてきたところですが、近年のIT技術の進化により、大型の二次元文化財については既に高精細デジタル情報として残すことができるようになっています。

この動きが急速に推進されるようになったのは2010年台に入ってからで、有識者による一般財団法人「デジタル文化財創出機構」において、今後進んでいく人口減少に対し文化財の保存は必須となると提言されました。
実はこれはEUが既に立ち上げていた巨大電子図書館の「ヨーロピアーナ」を意識しての発言であり、他国では既に実践されている技術に対し日本だけが遅れるわけにはいけないと、慌てて実行されるようになった事業です。

ベンチャー企業の中にはそうした文化財のような大型の文書や芸術作品を保存する技術を開発するところも見られています。
世界的に貴重な文化財を多く保有している日本においては、今後数多くの場所で導入されることになるのではないかと期待されますね。

デジタル化で貴重な収蔵品を見られるようになるかも

実は1990年代頃には既に文化財をデジタル化するという流れはできていたものの、これまでデジタル化は日本国内で積極的には進みませんでした。
これはデジタル化をすることにより実物として残されている文化財の存在感がなくなり、文化財そのものの価値を損なってしまうことになるのでは、という懸念があったからです。

ですが、ここ数年の間に世界的に貴重な文化財が内戦や自然災害によって焼失したり、劣化した文化財を人為的に修復したためにもとのものとは全く違ったものができてしまったということも起こっています。
そこで現存している文化財を残すという作業の重要性が認知されるようになりました。

現存している文化財がデジタル化されることは、複製が容易になり、多くの場所で同様に閲覧が可能になるというメリットに繋がります。
これまではその文化財の希少性が評価されてきたところ、今後は知的財産として多くの場所で共有されるということが重視されることが期待されていますね。

一般ユーザーである私達にとっても、これまでは貴重な文化財が一般向けに展示されると劣化や盗難の危険があるとして収蔵されていたところ、いつでも自由に閲覧参照ができるようになるという大きなメリットがあるのです。
これもIT技術が世界的に進化したことによるものと言えますので、個人的にさらにこの動きが加速することを期待しています。